見直される医療のカタチ

福祉大国が揃う北欧では、多くの高齢者が不自由のない生活を過ごしています。医療費を含む生活費に不安のない老後がこれらの国に共通している点です。にも拘らず、高齢者の自殺率の高さがこれらの国の特徴だともいわれています。また、敢えて社会福祉制度に不安のある南欧や途上国に移住する高齢者も多いといわれています。日本では、多くの高齢者が生活の不安を訴えています。年金生活者の大半が物価の上昇に暮らし向きが悪化していると指摘しています。健康に対する不安も大きく、医療費の個人負担が彼らの生活を脅かしていることがうかがえます。しかし、北欧諸国に比べ、日本の高齢者の自殺率は決して高いとはいえません。例えば医療機関において、患者が医師から受ける治療スタイルにも変化が見られます。病根をなくすための外科的な治療がベストだという判断はもう過去の物語になったようです。最近は、治療方法の選択の際に、患者のQOLを重視するという考え方が医療従事者の間で一般的になりつつあります。病気の元を根治しても、患者のQOLが悪化するならば、それを避けることも選択肢として判断されるようになりました。医療技術の進歩によって、いろんな治療方法が生まれてきたこともあるでしょうが、医療側が患者のQOLをより重要視するようになったことも大きいといえます。生きるということは、単に生命を維持するということだけではなく、生きることの質が重要だということでしょう。そこから先は、医療の世界から、道徳や宗教の領域になるかもしれません。命を預かる医療従事者の責務がますます大きくなってきたのではないでしょうか。

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